就職のための授業があった。
授業をするのはもちろん特別講師だ。
自分の祖母の年齢ぐらいの講師だが、
とても精神的に若い。
年の老いた講師になると、独りよがりな者もいるが、
私たちのことを考え、話をしてくれる。
彼の熱のこもった授業はとてもためになる。
私は個人的にその授業が好きだ。
いつも楽しみに受けている。

しかし、今日は流石に腹が立ったことがあった。
それは、ある生徒の授業態度だ。
自分たちは今、就職活動の真っ只中だ。
それなのに寝ている。
勿体無いとは思うが、私も居眠りすることはあるからそれは許そう。
しかし、悲しくなったのはその後だった。

講師の提案で、自己PRをしようということになった。
今は、就職活動中。自己PRが出来て当たり前。
他の授業を疎かにしても、自己PRは完璧でありたいものだ。
それが、就職内定をもらうキーになるのだから。
人事も経験している講師に、自己PRをアドバイスしてもらう。
私は、これほど有意義な時間はないと感じていた。
学校の教員よりも、もっと現場に近い人に
評価してもらうことは滅多に無い。
しかも、経験豊かな講師とあればとてもいい機会だと感じた。

そんな中で、寝ていた生徒にスポットが当たった。
私は、寝ていたってある程度の自己PRができる自信がある。
しかし、その生徒は凄く嫌そうな顔をして立ち上がり、
ボソボソと、的外れなことをいった。
講師の檄が飛ぶ。
それに、さらに嫌そうな顔をする。
「もういい」という一言をもらってしまった。
何のやる気も感じられないなら、当然だ。
そこで、生徒逆ギレ。
座った後に、あいつムカツクと友達に口パク。

・・・それをみて、私、さすがに瞬間的ですけど腹が立った。
何もしようとしないで、諦めていることは
私の中で許せないこと。
今一番大切と思われる授業で、
講師が誠心誠意、私たちのために授業をしている。
それを、押し付けられていると感じてしまったのだろう。
とても悲しいよ。
そりゃ、就職も出来んわ。
最後に泣いて欲しくない。
みんなで笑っていたいから、今をがんばって欲しい。